当院では初診時にお口の記録を作成し、歯の本数や虫歯の程度、修復物の種類などを
記録しています。
同じ状態の虫歯やX線の画像を見ても歯科医師によって、診断あるいは治療法の選択が同じとは
限りません。厳密に言えば虫歯と診断しても、必ずしも修復治療の対象とせず、経過観察できる
状態かどうか総合的に判断します。
できるだけ歯を削らずに済ませられるように、また修復する必要が生じた場合もできるだけその時期を
遅らせることができるように、予防衛生的に個々人に合わせた定期的なメンテナンスプログラムを
組んでいきます。
歯の表面(エナメル質)が白濁していたり、一部変色していたりする場合、
歯の萌出時期や清掃状況、口呼吸による乾燥などを考慮してフッ素塗布やシーラントを含めた予防処置をしていきます。
定期的なクリーニングや虫歯予防処置で進行が止められないと判断された場合には具体的な修復治療に着手します。
C2は虫歯の進行が象牙質まで及んだもので、通常虫歯に侵された部分を削除しプラスチックや金属のつめものをつめます。
C2(第2段階)の虫歯とC3(第3段階)の虫歯では、治療内容・期間・費用などが大幅に変わってきますし、何よりも将来的な歯の保存に決定的な違いがありますので、極力C2で食い止められるように最善の努力をしていきます。
また、ある程度虫歯が深くなった場合は神経への刺激を軽減し、術後の症状を和らげるためにも内部にお薬をひいて歯の保存に役立てています。
C2の段階からC3に進まないように、長持ちする材料での修復も
お勧めしています。
歯に詰め物やかぶせ物をすると「歯が治った」と思われるでしょうが、残念ながらどんなに優れた材料でも天然の歯の質にはかなわないのです。
定期的なメインテナンスでは虫歯や歯石の有無だけでなく、かみ合わせの状態にも気を配っていきたいと考えています。
歯の神経を保存するために内部にお薬でガードしていても,その効力をもってしても神経が炎症を起こした場合、あるいはすでに虫歯菌が神経の領域も侵してしまっている場合は止むを得ず歯の神経を抜くことになります。いわゆる根の治療が始まります。
歯の神経を抜くとズキズキした痛みやしみる症状がなくなりますが、決してこの状態で治療を受けるのを止めないでください!
歯の神経を抜いた後はその神経が通っていた歯の根の管を清潔にしお薬をつめる処置をします。このお薬を詰めない状態で長い時間が経過すると歯の根の先や周りに炎症が起き膿が溜まったりします。
ときにお体の抵抗力が落ちた時期と重なると激烈な痛みと腫れを伴うことがあります。
またここまで炎症が進んだ歯の治療は成功率が低下し、再発の恐れが増し、歯の寿命が短くなることもしばしばです。
歯を失うことにつながってしまうのです。C3で根の治療が終わった歯は、多くの場合小さなつめ物ではなく大きなかぶせ物(俗に言う銀歯です)をすること(ほてつ治療)になります。
つめ物に比べるとかぶせ物は当然大きいので、金属代も多くかかりますし、見栄えも極端に悪くなります。
さらに虫歯が進んで根だけが残った状態がC4の段階(残根状態)です。
この段階まで進行した歯あるいは根が折れた歯などは抜歯を余儀なくされます。
歯を失ってしまえば、それを補うためにより多くの歯に負担を強いたり、入れ歯などで機能回復が極端に低下する場合も少なくありません。
失った歯を人工の歯で補うことを欠損補綴(けっそんほてつ)といい、
入れ歯やブリッジなどがこれに当たります。
何本か残った天然の歯を支えにまたは調和を取り、失った部分を補うのが部分入れ歯。
天然の歯をすべて失い、人工の歯で補うのが総入れ歯と言われます。
(天然の歯の根だけを残し、その上に覆い被せるタイプの入れ歯もあります)
失った歯の両隣の歯を支えに連結したかぶせ物を被せるものです。
一般的に入れ歯よりもブリッジの方が、異物感が少なく咬み心地も自然なため、
失った歯の両隣に歯が残っていれば選択されることが多いものです。
ブリッジの最大の欠点は両隣の歯を削ることにあるといっても過言ではありません。
すでに何らかの修復物がなされていればまだしも、ほとんど虫歯もない天然の歯や歯の植立方向に平行性が得られていないケースもあります。
このような場合はそれぞれの治療法に利点欠点があり治療期間や費用に差が生じてきますので、
主治医とよく話し合い、どんな点を重視するかによって治療法を決めていく必要があります。
保険適用にはなりませんが、インプラントが選択肢に挙がることもあるでしょう。
手術によってチタン合金などの人工材料をあごの骨に埋め込み、その上に人工の歯を
構築するというものです。
・ブリッジでは適応できないような大きな欠損に有効。
・ブリッジのように健全な歯を多く削らずに補える。
・口の中に違和感を感じやすい。
・取り外して手入れする必要がある。
・クラスプ(止め金)が見えてしまうことがあり、審美的に問題がある。
・固定式であるため、装着しても違和感があまりない。
・人工の歯の材料を選択することにより天然歯と遜色のない審美的な修復が可能。
・ブリッジを支え、固定するために、たとえ健康な場合でも両隣の歯を削る必要がある。
・支えになる歯には大きな力がかかり、将来的にその歯を失うことの原因となる場合がある。
大きく分けて、歯周基本治療と歯周外科治療に分けています。
患者さん個人の視点に合わせたブラッシング指導や歯石の除去などのクリーニングおよび暫間的な咬み合わせの回復を早急に行い、炎症の進行を防ぎ機能回復を目指します。この中には保存不能な歯の抜歯や根管治療なども含まれます。
歯周基本治療で行った処置の再評価と永続的安定を得るための外科処置を取り入れるか否かを検討するために行います。
より清掃が行き届きやすい口腔環境を永続きさせることを目的として、ケースに合わせた外科的治療を行います。
歯周病をコントロールし、安定を得られたら補綴治療を行います。